肥満・肥満症とは
肥満とは、単に体重が重いということを指すのではなく、脂肪が過剰に増えた状態のことを指します。 BMIの計算ツール 現在、肥満の判定は、身長と体重から計算されるBMIという数値で行われています。 これはBody Mass Index(肥満指数)の略で、次の式で計算できます。
BMI=体重(kg)/身長(m)2
日本肥満学会が決めた判定基準では、統計的にもっとも病気にかかりにくいBMI22を標準とし、25以上を肥満として、肥満度を4つの段階に分けています。 肥満度判定基準(日本肥満学会2000)
| BMI
| 低体重(やせ) | 18.5未満 | 普通体重 | 18.5以上25未満 | 肥満(1度) | 25以上30未満 | 肥満(2度) | 30以上35未満 | 肥満(3度) | 35以上40未満 | 肥満(4度) | 40以上 |
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肥満に合併する疾患について
BMIで肥満と判定されても、すぐに治療を始めるわけではありません。 医学的に減量を必要とする肥満を「肥満症」といいますが、肥満症は、次の二つの場合です。 1.BMIで肥満と判定されても、すぐに治療を始めるわけではありません。 医学的に減量を必要とする肥満を「肥満症」といいますが、肥満症は、次の二つの場合です。 ① 脂肪細胞の質的異常による肥満症
- 耐糖能障害・2型糖尿病
- 脂質代謝異常(高コレステロール血症、低HDLコレステロール血症、高トリグリセリド血症
- 高血圧
- 高尿酸血症・痛風
- 脂肪肝
- 冠動脈疾患(心筋梗塞、狭心症)
- 脳梗塞(脳血栓症、一過性脳虚血発作)
② 脂肪細胞の量的異常による肥満症 - 骨・関節疾患(変形性膝関節症、変形性股関節症、変形性脊椎症、腰痛症)
- 睡眠時無呼吸症候群・Pickwick症候群
- 月経異常(月経周期の異常、月経量と周期の異常、無月経、月経随伴症状の異常)
③ 特殊な病態を伴う健康被害 2.BMI 25以上で、1のような健康障害はなくても、検査によって内臓脂肪型肥満と診断されたもの メタボリックシンドローム診断 内臓脂肪の過剰な蓄積をもとにして、同じ人に糖尿病、高血圧、脂質異常症(高脂血症)などが複数重なって、動脈硬化や心血管障害などのリスクが高まった状態のことをいいます。 一般にメタボリックシンドロームは、内臓脂肪の過剰な蓄積があることが前提となります。内臓脂肪の過剰な蓄積、糖尿病、高血圧、高脂血症のうち、肥満を含んで3つ以上該当する場合に、メタボリックシンドロームと診断されます。 ―メタボリックシンドロームの診断基準 日本( 2005 年)― ①+②~④の 2 項目以上 ①(腹部)肥満 ウエスト周囲径 ≧ 85cm(男性),≧ 90cm (女性) ②中性脂肪 ≧ 150mg/dl かつ / または HDL-C < 40mg/dl ③収縮期血圧 ≧ 130mmHg かつ / または 拡張期血圧 ≧ 85mmHg ④空腹時血糖 ≧ 110mg/dl
| (日本8学会共同のメタボリックシンドローム診断基準検討委員会 2005.4.8 )
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